包茎とは何か?

そもそも「包茎」とは何でしょうか?

どういった状態のことをいうのでしょうか?

下の絵を見てください。




包茎でない陰茎(ペニス)とは、平常時に亀頭が完全に冠状溝(亀頭のくびれ)まで見える(皮がむけている)状態のことです。つまり、それ以外は全て包茎と言われるのです。

上記の息子さんの図で言えば、平常時においてA以外は包茎であるということになります。包茎そのものが病気なのではなく、そういった状態を表す言葉なのです。

ちなみに日本人の約6割が包茎だと言われています。


包茎は、包皮がきつく亀頭を露出できない状態をいいますが、この状態は新生児や小児では正常で、普通は治療しなくても思春期頃までには自然に解消します。

基本的に病気ではないので、亀頭炎(亀頭部分が赤く腫れる)、泌尿器感染症(不潔な状態のために雑菌が繁殖して感染症を起こす)、などの合併症や腫瘍の疑いが無ければ治療の必要はありません。

問題点としては、包皮がめくれないので排尿や性行為の妨げになったり、亀頭と包皮の隙間に溜まった汚れや雑菌によって尿路感染症のリスクが高くなることです。

これらの問題点があると言っても、年少期に排尿できないぐらいの障害があるといったことはまず無いですし、性行為も年齢的に不必要な時期ですのでこれも問題になりません。

雑菌による尿路感染症が一番の問題ですが、入浴の際にきちんと洗ってキレイにしていれば、まず感染症になることもありません。

ごく稀によほど問題になるような包茎の場合、解決方法として通常は環状切開という手術によって治療できます。

これは、包皮を巾着袋に例えると分かりやすいのですが、その巾着袋の紐を引っ張ると縮んでいく口の部分に相当するところが狭すぎる訳ですから、この口の部分をメスで切るのです。そうして包皮の口を切開してやることで、ムケ易くしてしまおうという手術なのです。


この他の治療手段として薬物療法があり、約3カ月間0.05%ベタメタゾンクリームを1日2〜3回包皮の先端と亀頭に接触する範囲へ塗ることで改善させるという方法があります。

これは、ステロイド薬の副作用の1つである皮膚萎縮を逆手に取った方法です。

また、カントン包茎を起こさない程度で2〜3週間、指で包皮の先端部分または勃起した陰茎(ペニス)を優しく伸ばすことで改善が見られることもあります。


包皮の先端部分を伸ばす器具としては「キトー君」が有名で、多少の時間は掛かりますが、ハッキリ言って手術などしなくともこれで改善できてしまいます。しかし、使い方を誤ると思わぬ怪我をしてしまうという例もあるそうなので、あまり無理はしないほうがいいようです。